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2015-03-01 08:21    タグホイヤーカレラ1887 評価
 改札口前の雑踏を縫い、券売機の脇に設置されたコインロッカーに向かう。コインロッカーの前でアタッシェケースを下ろし、一息つく。ポケットからメモを取り出し、扉の番号を確認し、その番号のロッカーを探す。  よかった。ちょうど、そこは空いている。もし空いてなければ、面倒でもほかの駅のコインロッカーに行かなければならないところだった。  金属製の扉を開き、その狭い空間に重いアタッシェケースを押し込む。その上にショルダーバッグから出した白い封書をポンと乗せる。  これでいい。  扉を元どおりに閉め、硬貨を投入して鍵《かぎ》を掛ける。小さな銀色の鍵をポケットに入れ、駅前ロータリーに停めた車に向かう。途中で革の手袋を取る。車の荷台には金属製のアタッシェケースが、まだあと4つ残っている。  100万ドルもする最高のクリスマス・プレゼント——。  運転席に乗り込み、辺りを見まわす。もうすぐクリスマスだ。街全体がクリスマス・ムードに包まれているのが、車の中にいても感じられる。  エンジンをかけ、次の駅に向かうために車を出す。イルミネーションに彩られた駅前ロータリーが背後に遠ざかる。 [#改ページ]   第一章 12/21 WED.      1  冬至の夜明け。海からの風が吹いている。  夜の海面を渡って来た冷たい風が、朝香葉子《あさかようこ》の火照《ほて》った顔の左半分から熱を奪っていく。規則正しく吐き出される白い息が、耳の脇を擦り抜けて夜明けの空気の中に消えていく。葉子は打ち寄せる波が届くか届かないかの場所を慎重に選んで、黒く締まった砂の上を走っている。時折、目測を誤って打ち寄せる波の裾《すそ》を踏んでしまい、使い込まれたランニングシューズに冷たい海水が染み入ってくる。  左手には夜明けの相模《さがみ》湾。右手には黒松の防砂林。平塚《ひらつか》に戻ってからほとんど毎朝、葉子はこんなふうに相模川河口から花水川河口までの海岸線を走っている。走ることが義務から楽しみへと戻った今、もはやタイムや走行距離を気にする必要はない。