ルイヴィトンエリプスmm
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null 婆さんも思い当たるような顔で言った。 「そうだ、あんた高井田部屋《たかいだべや》の」 「ええ」  結城元太郎は頭を掻いた。     4  両国《りようごく》だから当然|相撲《すもう》部屋が多い。電車の線路ぞいに数えて、浅草橋のほうからまず伊勢ケ浜部屋、立浪《たつなみ》部屋。友綱部屋はとうに移転したが、大通りの向こうへ渡って春日野《かすがの》部屋、若松部屋、君ケ浜部屋、大山部屋、出羽《でわ》ノ海《うみ》部屋、時津風部屋、立田川部屋、朝日山部屋、伊勢ノ海部屋、旧の東両国四丁目のはずれが二所ノ関部屋と、国技館が蔵前に移って久しい今でも、やはり両国はお相撲さんの町なのである。高井田部屋はほんのちょっとの間、両国四丁目のとっつきにあって、下町探偵局から一番近いのは、立浪部屋とその高井田部屋であった。 「序二段でやめちゃったのね、あんた」  婆さんは思い出して叱るように言った。 「はい」 「だめじゃないの。どうしてやめたのさ」 「だって」  大男が子供のように返事につまっている。 「部屋がなくなったんだから仕方がないですよ」  悠さんがかわりに言った。