ジッピーウォレットヴェルティカルn63095
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[ルイヴィトン]LOUIS VUITTON  ダミエグラフィット ジッピーウォレット・ヴェルティカル ラウンドファスナー財布N63095 [並行輸入品]
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null そのあたりにひろがっている建売り住宅の群れは、二、三十坪の土地に、境界ギリギリ近くまで木造二階の建て物がついているものが多かった。しかし、新興住宅街を外れると、|畠《はたけ》や雑木林が残っている。  志麻のものらしい家は、四十坪ほどの土地にシャッター付きのガレージと狭い庭を取った建坪二十五坪ぐらいの二階建てであった。延べ坪で五十坪ぐらいだ。「|遠《えん》|藤《どう》」という表札が出ていた。  一度その家の前を車で通り、家から灯が漏れているのを見た恵美子は、その家の裏側が観察出来る雑木林に車を回した。  新興住宅街には、まだ勤め帰りの人々が歩いているので、しばらく待つことにする。雑木林と目的の家の裏塀とのあいだには畠があった。  その家のなかには三匹の犬がいるというから、侵入する際には体臭を出来るだけ消さねばならない。  しかし、人間の数万倍の|嗅覚《きゅうかく》を持つ犬に対してそんなことは不可能だから、恵美子はスプロが開発した、人間の鼻には|匂《にお》わないが犬が|嗅《か》ぐと攻撃性を失わせる薬品のスプレーを、黒いジャンプ・スーツに着替えた全身に振りかける。  午後八時になって恵美子は車を出た。ルーム・ライトのスウィッチは、ドアを開いても消灯したままの位置にしてあった。  志麻のほかに、殺し屋でもある強盗団の仲間が隠れているかも知れないから、恵美子は充分な武器を身につけていた。ヘルメットはかぶらず、頭からすっぽりと覆面をかぶっている。  白菜畠の|畔《あぜ》道を、ほとんど音もなく近づいた。あまりゆっくりと近づくと、かえってその不自然な足音を犬たちに不審がられるから、自然な歩調をとる。  裏塀に近づいた恵美子は、家のなかからTVの歌番組がかなりのヴォリュームで流れてきているのを知った。  一メーター半ほどの高さの裏塀であるから、恵美子は助走もなしにそれを乗り越えた。狭い裏庭では、鉢植えの観葉植物が枯れかけている。  建物の裏側はアルミの雨戸が閉じられていた。裏にドアは無い。恵美子は横に回り、隣家との境いの塀とのあいだの幅一メーター半ぐらいの通路をカニのように横に歩く。  スプロの情報収集員は、建売り業者のロッカーにあった図面をフィルムに収めたので、スプロはこの家の見取り図を手中にしていた。  そのスプロから得た情報で|風《ふ》|呂《ろ》|場《ば》だと分る窓には、|鉄《てっ》|柵《さく》のガードがかぶせられていた。恵美子は用意してあったリキッド・レンチの|溶錆剤《ようしょうざい》とドライヴァーを使い、窓の鉄柵を留めてあるネジを、出来るだけ音をたてずにゆるめはじめる。TVの音が、ネジがきしむ音を消してくれることを祈る。      五  やっと|鉄《てっ》|柵《さく》を外し終えるまでに十数分かかった。